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「映画通」ではないが映画を観るのは好きな「なんちゃって映画好き」であるところの私Manboによる映画の感想など。ドワーフ好き。アカウント名はmanballですが本名はManboなのです
by manball


アレキサンダー

55/100
(歴史ものは評価が甘くなる傾向)


blogを書き始める人は多いけど
実際にそれを更新し続けていく人はそのうちの
何パーセントにも満たない…
という現実的なデータを載せた記事がありまして、
何パーセントの数字は忘れましたが
えらく低い数字だったことは記憶しています。(10台だったかな?)

それはさておき
このBlogに限っては映画やドラマといった
眼を媒介とした受動的なメディアについての
感想のBlogであったため、
そしてこの数ヶ月の間
気がついたらそういったものを
まったく観ていなかったため
更新が出来なかったのは仕方がないことだったのである。
(これでも一応本人は自分が「映画好き」のつもりだったりするから
性質が悪いといえよう)

以上、釈明終わり。

さて
映画を観る際には事前情報を可能な限りカットし
まっさらな生の状態のまま観るのが一番楽しい
というのは私Manboの持論であるのですが
この映画についても知っているのは
アレキサンダー大王の伝記ということくらいでした。
で、アレキサンダー大王って誰なのということについては
まあ一応高校時代に世界史でざっとやった記憶がありますし、
あと私の大好きなまんがのひとつに「寄生獣」があるのですが
その作者であるところの岩明均氏が
いまアフタヌーンという漫画雑誌で
このアレキサンダー大王についてのまんがを
連載しているんですね。
(性格にはアレキサンダー大王自身についてではないのですが)
それに加えてやっぱり「トロイ」を前に観た時にもありましたが、
この手の歴史活劇
男達が鎧着込んで手に剣持って切ったはったするモノというのは
個人的に好きなジャンルですので、
まあ割と普通に期待しつつ観に行ったのであります。


さてネタバレヌキで感想を申しますと
正直苦しいところでした(^_^;
やはり一個人の生涯というものをたかだか三時間くらいで収めようとすると
どうしても時間が足らないんですよねー。
結局、NHK大河ドラマの総集編みたいになっちゃう。
そうやって飛び飛びになってしまうと
よっぽどうまくやらないと人物描写が唐突になったりなおざりになったりして
感情イニューがとてもしづらくなるんですな。
そうなると、観ている側としては気持ちの持って行き場所がなくなって
へー、そうなんですか、勝手にやってください
となってしまう。
こうなるともう長くて退屈なだけです。

まあこの映画がそこまで行っていたということではありません、が、
本来映画に入れなくても
ストーリーとして何ら問題なく成り立っていたはず
の要素がありまして
それを何のために入れたのかが
結局スムースに理解できないといいますか。
具体的な話になるので
ネタバレ項目で書きますが、
ソレわざわざ入れなくても話は普通に作れたんじゃないの?
という感じ。

ネタバレなし状態でとりあえずもうちょっと形にしておきますと
アレキサンダーという一人の英雄の物語
そして天才であるがゆえの孤独
ということについてはまあ表現されていたのではないかと思います。
かなり不鮮明というか、具体的にガッチリとした形で示されていないので
なんかもやもやしつつもわかったかなという感じですが。
んが、前のほうに書いたように
話がポンポコ飛んで行き
それにあわせてアレキサンダーさんの考えや気持ちも
ズンドコ飛んで行きますので
結果的にとても感情移入するのが大変な状態になっている。
うーむ、なんというかありていにいうと
カタルシスがないんです。

だからあらかじめあんまり期待しないで観に行って
しかももともとこう言った歴史活劇が好きである
ということならまあお金損したとは思わないと思いますが
そうでないと微妙かも知れません。





------------以下ネタバレ--------------------







とりあえず砂ボコリ多すぎ。
せっかく右翼がどうしただの本隊がどうしただの
これくらいのビッグスケールでそういった戦場の動き、作戦などなど
を見せてくれるのかと期待したのに
砂埃のせいで何も見えねえ。
ツギハギの状況描写と説明台詞で合戦場面を語らせるのは
もう飽き飽きです。
せっかくこの映画はお、ちょっと違うことをやってくれるのか
と作戦会議の時点では期待させてくれたのに。
またもやカタルシスがありません。
なんだかよくわからないけどグチャグチャゴチャゴチャやって
へー、何だ、勝ったの。みたいな。
楽しくないよー


この映画で唯一ユニークだと感じたポイントは
いわゆるこういった古代史における男色ですか、
普通の映画ならタッチしないような部分を
真っ向から描こうとした…らしいところなんですが、
結局アレキサンダー男色設定って
何のためにあったんですかね。
イチャイチャするシーンは良いんですけど
尺が長すぎるよ。
結局そのことが話全体を通して何か意味を持っていたのか
というとそれも疑問だし、
まあアレキサンダーという一人の人間を描く
という意味では意味はあったのかも知れんが
観客としては正直な所退屈としか言いようが無い。
その分、もっと唐突にコロコロ変わる(ように見える)アレキサンダーの心情や言い分
を一人で苦悩したりする部分を入れても良かったのでは
と思うんですが。

全体的にちょっと下り坂なんですよね、これ。
結局アレキサンダーはなにをしたかったんでしょう
ということについて観客に対し明確なビジョンが示されない。
だから何が彼をそんなに駆り立てていたのかということについても
観客はなんとなく、ボヤーっとしか理解できないし
カタルシスもない。
必死なアレキサンダーが周囲から孤立する姿を見て
はあ、天才とはこういうものなんですねという風な見方はできるが
すごく観客としては置いてけぼりにされたように感じる。
空回りしてるんだな。
素材が素材なだけに
いじりようによってはもっとずっと美味しくなったのではという気がします。
もう少し単純にエンターテイメント重視な構成・展開にしても
良かったんじゃないかなー。
by manball | 2005-03-03 16:20 | 映画感想 あ行
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